デスクトップリビング with Mac…(その3)
以前、「シネマディスプレイでハイビジョン番組を観る!?」というエントリーを起こしました。
届いたらレビューを行う予定だったのですが、待てど暮らせどモノは届かず。気がつけば自分もBlogをやめていました…(苦笑)。
当初はメーカーから毎月メールが来ていたものの、「バックオーダーを抱えていて…」というものが、「もっと改良したものを出すので…」に変わっていくのを見るにつけ、"結局商品化できなかったのかなぁ…"とあきらめていました。
ところが5月の初頭に、「ねぇねぇ、注文覚えてるぅ?前のよりもっとイイモノ作ったから、前と同じ特価(※MacWorldキャンペーン価格)で送れるわ!O.K.ならメールで注文の返事プリーズ!(←注:脳内超意訳)」というメールが届き、多少の逡巡の末、発送を頼みました。
自分
人柱ですから…
アメリカからFedexに乗せられて無事到着。1年半越しのご対面です。製品名も変更されて「HD Mate Scaler」。発表当初との一番の大きな違いは
- 1台で20インチ・23インチだけでなく様々なディスプレイに対応
ここにあります。この製品の恩恵を一番受けるのは、DVI入力が1系統のみというAppleのCinema Displayですが、ディスプレイにコンポーネント入力(ハイビジョンやPS3、Xbox360など)を加えたいと考えている方にも勧められるはずです。
デザインはMac miniとマッチするようになっていますが、サイズはMac miniより幅・奥行きとも1センチほど大きくなっています。フロントパネルにはインジケータとリモコンの受光部があるだけで、本体だけでの操作はできません。
付属品として、リモコン(とそのボタン電池)、DVIケーブル、ACアダプタが付属します。ところがDVIケーブルもACアダプタも"な・ぜ・か"水色…。これは正直カンベン願いたかったですね(涙)。合わなさすぎです。
ACアダプタは日本の電源(AC100V)でも問題なく利用できました。ただし、コンセントの先が三叉型なので、変換アダプタがあったほうがいいでしょう。
背面の入力端子群ですが、コンポーネント入力(映像)&光デジタル入力(音声)が2系統、DVI入力が1系統。また、音声の入力端子は光デジタル2系統以外にアナログでも3系統装備されています。RCA音声出力端子がありますので、映像と音声を連動して切り替えるセレクタとしても使えます。映像は全てDVI OUTから出力されますが、DVI-VGAケーブルを経由させることでVGAディスプレイにも接続可能なようです。
オーディオはアナログ入力時はアナログ出力、デジタル入力時はデジタル出力
Cinema Displayに接続後、本体の電源を入れ、映像を出力します。HD Mate Scaler側からは、接続されたディスプレイ本来の解像度が自動認識されます。20インチCinema Displayの場合はWSXGA(1680*1050)、23インチCinema Displayの場合はWUXGA(1920*1200)が本来の解像度。
ただ、Mac側からは接続先ディスプレイが「不明なディスプレイ」と認識されてしまうためか、初回接続時は、Mac側の出力解像度が1280*1024にセットされ、カラープロファイルもCinema Displayのものがリストアップされません。どちらもシステム環境設定から設定を変更してやる必要がありますが、一度設定すれば、次回以降はそれが記憶されます。そうそう、同じCinema Displayでも30インチのものは接続方式が異なるため接続できませんのでご注意を。
早速、コンポーネント入力に接続した地上波デジタルチューナの映像を出力してみます。
地デジチューナは選択肢が少ないですが安価なAVOX YDIT-10を使用
ユニデンのものと同じ
AV Watchのレビューはこちら
いやはや、密度が濃く、コマ落ちもないためかなり綺麗です。動画応答性に優れたディスプレイではないはずなので残像はひどいだろうなぁと覚悟していましたが、ほとんど気になりません。ただし、Cinema Displayの色調がそもそも家庭用テレビ向けとは異なるため、パッと見は色が薄いと感じられました。この部分については、数種のプリセットが用意されていますし、手動による調整も可能です。
悩ましいのがアスペクト比の問題です。Cinema Displayは縦横比が16:10、これに対しハイビジョン放送の縦横比は16:9。初期状態では全画面表示となるため縦に若干伸びた状態で出力されます。
こちらが16:10 画面いっぱいに表示されますが少し縦に伸びます
一応、これも手動で調整が可能です。Scaleの設定で「Letters Full」を選択すると上下に黒い帯が表示される形で16:9の表示になります。本来はこの形で見るべきなのでしょうけれども…
何度か切り替えて試した結果
- 長時間この状態で表示させた場合、帯の境界で跡が残る ※Cinema Displayは跡が残るんですよ。しばらくたつと戻りますが
- やっぱり画面一杯で見られるほうが、満足度が高い
- Letters Fullにした場合、DVI表示に切り替えたときもその設定になってしまう ※色調補正は映像入力毎に設定を保持できますが
- 若干縦に伸びていても、気にならない(笑) ※出演者の人には悪いですが
国内メーカのWindows機では、ハイビジョンテレビチューナ内蔵の機種もいくつか出ています。必ずしも機能的に同一といえるものではない(録画機能まではさすがに…)のですが、これまでMac&Cinema Displayでは手段がなかったハイビジョン視聴環境(ただしMacとは排他利用)というオプションは道が開けました。外部入力が存在していなかったCinema Displayには貴重な拡張機器です。 ※そもそもそう使いたいのであればCinema Display以外に選択肢はあるのですが(苦笑)
地デジで映画が放送される時には活躍しています。昨日は「シックス・センス」でしたが、ハイビジョン画質に先述のスピーカの組み合わせだと、ささやかながらプライベートミニシアター気分に浸れますね。もっとも、気がつくと奥さんに席が取られてしまうのですが…(笑)。
惜しむらくは、環境を作っては見たものの、実際には夫婦共にほとんどテレビを観ないこと(爆)。前回、今回とエントリーを起こしたクセに、結局は観てないんですよね。テレビ番組のコンテンツを否定するわけではないのですが、配信の仕方が我が家には合わないというのは確かなようです。局側は、番組がパソコン内の一コンテンツに組み入れられることに強く抗っていますが、"放送"という形だけでは視聴者数が減っていくことは避けられないでしょう。
さて、ずいぶん間を空けながらもなんとか3本書き上げましたが、それにはちょっと思うところがあったからです。
Mac系のブログを拝見していると、最近はAppleそのものを追いかけることにご執心なものばかりが取り上げられがちな気がしてならないんですよ(苦笑)。
Appleは人を惹き付ける魔力を持っている会社です。私もMacを通じて魅入られてしまったクチですから、それはよく分かるんです。自身のエントリーもそういうものが多かったですしね。
ただ、ブログをやめていた間、私のサイトにたどり着いて記事をお読みになられた方を調べてみると、多くの方々は「調べもの」で来られているんです。いわゆる「ロング・テール」というものでしょうか。アップしたその時点では特に反響がなかった記事であっても、長い目で見ると少なからずご利用いただけているようです。
Macのシェアは海外ではそこそこの増加傾向にあるようですが、残念ながら日本では伸びていません。
※Appleストアの数字が日本に含まれないとしても現実にそうでしょう
原因についてはいろいろ取沙汰されていますが、ハッキリ言って日本に置けるMacが、
「その人が求めるソリューション(解法)になっていない」
そこに尽きるのではないでしょうか。
iPodも含め、Appleにはいつも驚かされ、惹かれています。それ以上に、Macには特別な思い入れもあります。
自分が得られた満足を押し付けることは良くないと思っていますが、Macに興味を持たれた方・実際に購入された方には、微力ながらも何かしてあげたい。
その人が「こうしたい」「ああしたい」というものを気づかせ、それに答えを出してあげること、私はそう思います。
私が書くものが、見知らぬどなたかの足りないピースの一助になれば幸いです。また、そういうご助力をなさる方々がもっと出てきてくださればなお嬉しいです。
偉そうにすみません。
それでは…。
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