デスクトップリビング with Mac…(その2)
日本で売られている他社製Windows機にあって、現行のMacにはないもの。
それは…
TVチューナ
裏を返せば、日本において動画配信というコンテンツビジネスがまだ確立されていないと言えるのですが、今のところMac本体には、買ってきてテレビアンテナを繋げばテレビが見られるというソリューションはありません。
かつて、様々なアプローチを試みてきました。
- QuickTime Broadcaster
- iChat経由でTVを観てみる
- 東芝RD-H1とMac
- テレビのネットワーク視聴
- 海の向こうではPowerBookでDigital TV
- あなたのDVカメラ眠っていませんか?
こうして見返してみると、私が追い求めたのは、テレビ番組をリアルタイミングでストリーミングし、LAN経由でそれを観るというもの。
Macにチューナが内蔵されていないのを逆手に取り、無線LANを用いてアンテナケーブルに束縛されることなくどこでもテレビが見られるという環境を私は一つの理想と掲げました。
その期待を寄せるハードウェアとして、SlingMediaのSlingBoxを取り上げたことがあります。当時、Windows向けでしかなかったこの機械、今はMacでも使えるということをご存知ですか?
日本ではアイ・オー・データ機器が取り扱っていますが、正直言って大きく販促活動されているわけではなく、知名度が低い感は否めません。競合であるソニーのロケフリのほうが名前を聞いたことがある方も多いはず。
※アメリカ本国では後継機が既に発売されています
我が家でこれを導入したのは、実は昨年の8月。当時、海外に在住していた友人に使ってもらおうと実験も兼ねて導入しました。この時点ではMac版の視聴ソフトはまだなかったのですが、開発者の方のブログでは9月頃にはPublic Betaが配布できるということでしたし、友人の家にはWindows機もありましたから特に気にしていませんでした。実際にはMacのPublic Betaがリリースされたのは10/31、正式版は5月頭だったでしたが…。
ソニーのロケーションフリーを選択しなかったのは、
- 使用するマシン毎にソフトを購入してインストールしないとならない
- セットアップしようとするマシンが初回時には手元にないとならない(当時)
その他にも、SlingBoxは比較的低ビットレートでも綺麗に見えると言われていましたし、賛否両論あるデザインを私自身が気に入ったこともあります(笑)。
Windows版のセットアップインストーラは日本語化されています。UPnP対応のルータでしたらウィザードに従っていくだけで外からの接続テストまで行なうことができます。
※UPnPがうまく使えない場合は、「固定のIPを機器に振る」「ポートフォワードの設定を行なう」というルータの知識が多少必要になります。
このセットアップが終わってしまえば、視聴するマシンにSlingPlayerという視聴ソフトをインストールして、あっという間に視聴が可能です。
※各種インストーラはこちら
SlingBoxには機器毎に「SlingBox ID」という一意のIDが振られています。視聴する際はこのIDさえ分かっていれば、たとえ外から接続した場合でもちゃんと探し出して接続を行なってくれます。
※視聴用に機器に設定しておいたパスワードも必要です
LAN内では倍の640*480の解像度に
※クリックにて原寸大
正式版になってステレオ音声が少々ビビるようになってしまいましたね
SlingPlayerは当初からチャンネル切替時のレスポンスの早さには定評がありました。ネットワーク経由のストリーミング機器ではこれは特筆してもいい美点です。
画質ですが、ストリーミングで観ていると考えたら十分に画質はいいと私は思っています。もちろん、専用の外部チューナで見る場合に較べれば劣りますが、20インチのシネマディスプレイでのフルスクリーン視聴でも私は特に違和感ありません。
20インチシネマディスプレイでのフルスクリーン
※クリックにて原寸大
また、この機器の本当の価値は、どの場所にいても自宅の視聴環境下でテレビが見られるということ。こういったソリューションが現実に手に入ると、地域による放送の壁って何のためにあるんだか分からなくなります。海外在留邦人が日本の番組を見られる手段のために何か努力ってなされていまっしたっけね…。
※参考:地上波テレビ番組のIPマルチキャスト配信は難航
アナログの地上波は2011年に停波することになっています。すなわち上記のソリューションが使える期限は見えてしまっていることになります。
でも、私はこういう形での視聴方法が今後の主流になってくれることを願ってやみません。コンパクトなワンセグチューナがMac向けにもいくつか発売されていて、そちらの方が手軽な局面も多いのですが、どうしても電波に縛られてしまうため、地域や国境の壁が残ってしまうんですよね。
Macでテレビを…という話になった時の一助になれば幸いです。
さて、次回はCinema Displayでハイビジョンを視聴してみます。
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Comments
慎吾くんの画像をクリックしたら
Solidさんの下書き原稿を発見!
ココログの記事編集ではなさそう。。。
それだけ 理解できました!
(って 記事の感想を書け!ですよね・・・)
Posted by: 冬薔薇 | 2007.07.02 09:25 AM
>冬薔薇様
コメントありがとうございます。
よく気がつかれましたね(笑)。これはectoというブログ作成用の有償の専用ソフトです。Windows版もあります。
http://ecto.kung-foo.tv/
ココログに限らず、ブラウザ上でのブログ編集だとMacには不利なこと(装飾機能が使えないなど)が多いのですが、このソフトを用いてそういった不便を解消しています。
多少、私の意図するものと異なる結果になる部分もありますが、最後に適宜タグを編集してアップすることで問題なく使えています。
※時間指定公開に対応できてくれればなおいいのですが…
Posted by: Solid Inspiration | 2007.07.04 10:31 PM
普段テレビをみないくせにテレビのネット配信には興味があります。(^^ゞ
テレビ局もはやくネットとの折り合いを付けないと、斜陽になっていくと思います。
すでにケーブルテレビが独自コンテンツで成功しているように、いずれネット配信が中心になってくればそちらの方へ視聴者は流れるでしょうからね。
(すでに我が家では、ディズニーチャンネルが主流 (笑))
だって、いつでもどこでも見たい番組を見ることができるってやっぱり魅力ですよ。
iPodへ入れて見ることもできるし・・・Pod Castがより例だと思います。
Posted by: Metal | 2007.07.07 08:25 AM
>Metal様
局側がこだわる「大勢で」「同時に」という視聴形態のくくり方がどうしても時代に合わなくなってきているんですよね。もちろん、上記を捨ててしまうとテレビの社会的影響力が下がってしまうのは避けられないんですが、いつまでも抗うこともできないはずです。
また、せっかくあるインフラなんですから海外にも放送が流れることを積極的に支援してほしいですね。メディアコンテンツがその国に与える影響は下手な外交よりもよっぽど効果的ですから。
Posted by: Solid Inspiration | 2007.07.08 11:19 AM