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2006.01.31

無機質な蜃気楼



ハイビジョン。



 言わずと知れた、家電メーカの花形商品。しかし、それはまた、新しいインフラの種を蒔いて新規需要を刈り取るというビジネスモデルの"最後の一葉"となるように思われて仕方がありません。

 薄型テレビとして普及している液晶方式のハイビジョンテレビは、見方を変えれば大型のパソコンディスプレイと同じです。

 我が家で先日購入したVictorの37インチテレビにはパソコン用のVGA端子がありました。メーカのマニュアルには1024×728しか対応していないとありますが、それ以上の解像度でも一応表示は可能です。残念ながらこのモデルはVGA入力時は4:3でしか表示できませんが。




 そこで、思い切ってHDMI端子とDVI端子の変換ケーブルを用いてPowerBookと接続したところ、上下左右は一部欠けてしまったものの(メニューバーやドックが見えなくて少々困りますが(苦笑))、ディスプレイ全体に画面を表示できました。

100 0472

音もテレビから出力(クリックして動画)






 私がそこまでMacと大画面液晶テレビとの接続にこだわったのには理由があります。




Front Row00-1

Front Rowは果たしてリビングのテレビを意識したものなのか否か





 昨年発表されたiMacG5以降、新規モデルにはFront Rowがインストールされています。私も最初はそれがリビングに進出するための布石かと思っていましたが、現在のところ、iMac/PowerBookといった「ディスプレイ内蔵型」モデルでしかこのFront Rowは楽しめないことになっています。つまり、Appleは一度たりとも「Front RowがリビングのテレビにMacを繋ぐためのアプリケーション」だとは発していないのです。
※一応外部映像出力は可能ですが







 で、試してみました



100 0473

37インチテレビにて(クリックして動画)






 Front Rowの中で、以前から画期的だなぁと思っていたのが上記の「映画予告編」。フルスクリーンで映画の予告編が見られるのですが、結果は驚くべきものでした。

 大画面テレビでも、十分に視聴に耐えます。いやそれどころか、私の見立てでは




DVDより綺麗かも





 Front Rowで見られる動画はモノによってはH.264形式の480pで配信されているようですね。画質が粗いなぁと思うものはMPEG4の"Large"でしょうか…。
※上記の動画はここの480pの画質でした

 大画面テレビで観て感じたことですが



  • どんなにクオリティが高い縦横比4:3の動画より、ワイド画面で得られる満足の方が遥かに上
  • フレームレートが低いと大画面テレビでは非常に気になる
  • 大画面テレビのスピーカは結構音がいい




 Apple(もしくはMac)は既にリビングを射程圏内にとらえています。いつ、どのようにトリガーを引くか、それだけの問題でしょう。現在のiTMSでのVideo配信は、iPodを主にしているために控えめな解像度ですが、その制約が何かのきっかけで外れたりしたら…。

 Front Rowが"リビングへの"動画配信の実験場だった、と後に言われても驚くには値しないかもしれませんね。
※ストリーミングでこのクオリティが出せるかという課題はまだありますが



 さて、テレビ放送とパソコンは、かつてジョブズがかつて言った通り、相反するコンテンツだと、ここ数週間で実感させられました。リビングのテレビを見ながらノートパソコンを開いていても、両方は同時には楽しめません。
#更新が減った一つの理由かも(苦笑)

 一方で、パソコンの中に入ってしまった動画コンテンツならば、ある程度パソコンと同時に楽しめるんです。画面の片隅で観るもよし、フルスクリーンにしてじっくり観るもよし…。結局は、「放送」という送り手側の都合(時間や見方)に合わせるのが苦痛になってきてしまっているんです。

 日本は総務省が旗を振ってテレビのデジタル化とハイビジョン化を推進している真っ最中。

 ハイビジョンテレビもハイビジョン番組も、たしかに悪くはありません。

 でも、放送という"コンテンツとしての仕組"は20世紀の遺物のままです。消費者がオンデマンドで見たい番組をネット経由で選び、パソコンで管理する、そんな時代になったらハイビジョンテレビはただの周辺機器の一つになってしまうのではないでしょうか。次世代ディスクに至っては…?



 先日、テレビから流れてきた、とある番組に耳目を奪われました。故・夏目雅子さんが三蔵法師を演じ、堺正章さんが孫悟空だったあの伝説の「西遊記」。
※地デジに入ってきたテレビ埼玉で土曜日の午後に放送中
 東京MXテレビでは日曜日20:00〜

 エンディングテーマはゴダイゴの名曲「ガンダーラ」ですが、その歌詞は、テレビを買ってから感じていた、私の違和感をものの見事に言葉にしてくれました。

そこに行けばどんな夢も かなうというよ

誰もみな行きたがるが 遥かな世界

その国の名はガンダーラ 何処かにあるユートピア

どうしたら行けるのだろう 教えて欲しい

In Gandhara, Gandhara

They say it was in India

Gandhara, Gandhara

愛の国 ガンダーラ




 私の脳裏に浮かんだのは、楽園を求め砂漠を無言で進む家電メーカの姿。

 残念な事ですが、彼らの向かっている"約束の地"は古の都・桜蘭。栄華を誇った歴史とともに、一塵の幻と化して歴史の中に去りました。

 哀しい隊列に思えたのは私だけでしょうか…。



参考:
 英語版のガンダーラがiTMSにあります

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2006.01.26

マウスを解き放ち者、黒きマウスを従えん

 ここ数日、ネットでその噂が先行していましたが本日、正式に発表されました。

ディズニー、アニメ映画のピクサーを約74億ドルで買収



 「トイ・ストーリー」や「ファインディング・ニモ」といった、3DCGアニメーション映画で大成功を収めているPixar社。我らがApple社CEOである、スティーブ・ジョブズがもう一つCEOを務めている企業です。今から20年前、ルーカスフィルムからジョブズが買収したところから始まった企業ですが、今や押しも押されぬ制作会社。アニメーションが不振なDisney社は、前CEOとは打って変わった協調路線を持って今回の買収劇にこぎ着けました。

参考:スティーブ・ジョブズとハリウッド--20年の軌跡をたどる

 買収ではありますが、事実上はDisney社が頭を下げて自社の部門になってもらったようなもの。スティーブ・ジョブズはDisney社の個人筆頭株主になっただけでなく、取締役にも就任しました。その昔、Apple社は現在のMacOSXを開発するために、追い出したスティーブ・ジョブズが創立したNeXT社を買収し、ジョブズをCEOに返り咲かせた事は有名(その後の躍進はご存知の通り)ですが、その時を思い起こさせます。いずれはDisneyの…?

 そうそう、今回の買収を報じるニュースの中で一紙に問題児発見(笑)。



Cnn200601250005

CNNの記事より(笑)










………






…………マテ…。





誰もがやりたいと


思っているようなコラを



一流紙がやるなよぅっ…




 MacOSを広める事によって、コンピュータ操作に「マウス」を広く世に知らしめた伝道師"ジョブズ"。その彼が、ついに「ミッキーマウス」まで手中に収めました。

 …残念ながら1955年生まれのジョブズは未(ひつじ)年ですので、子年というオチにまでは至りませんが(苦笑)、ここは一つApple純正の「マイティ・マウス」も




ミッティー・マウス





 にでもしてもらうことにしましょうか(笑)。

 マスコミの記事にはDisneyを手中に収めたジョブズに、動画配信の更なる発展を予測する論調が多いように思えます。

 本当に影響力を強く持ったカリスマとなりましたね…。

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2006.01.24

な・か・む・ら・や・っ・!

 名古屋への出張から先ほど帰宅しました。今日は東京も名古屋も寒かったですね…。新幹線の中で文字通り「泥のように」眠りこけてしまい、もう少しで降り損ねるところでした。

 …ということで、すいません。お土産の赤福を奥さんに食べてもらうので(笑)、今日は下記のサイトでお楽しみください。

http://blog.livedoor.jp/kemui/nakamura.html
※音が出ます

 先日、奥さんが友達から教えてもらったそうなんですが、夫婦二人で死ぬほど笑いました。

 おやすみなさい…。

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2006.01.21

日出づる国のロザリオ

 極東の地、日本。

Far East01-1
欧米から見た日本は本当に遠い





 この独特の島国は、インターネットで世界中とつながるこの時代においても未だ「鎖国」の世にあるのかもしれません。それは"先進"なのか、はたまた"未開"なのか…。



 先日、auの携帯電話の新機種が発表されました。その中で発表された音楽配信サービス「LISMO」には、正直唸りました。



「iPod+iTunesに対抗できるサービスだ」──auのLISMO



 PC向けに高機能の楽曲管理ソフトを無償提供し、Webサイトから楽曲を有料販売する。楽曲管理ソフト内からポータブルオーディオデバイスに楽曲を転送し、モバイル環境で音楽を楽しむことができる──。

 これがau Music Port+音楽ケータイのモデルだ。そしてアップルのiPod+iTunesのモデルもほぼ同様のものになっている。

 「iPodはすべてをワンセットにして提供している。これを意識して、KDDIとしてPCも含めてどう提供していくのかを検討した。(iPodと違い)携帯電話の場合、ポータブルプレーヤー台数が飛躍的な数で伸びていく。(iPod+iTunesに)対抗していけるサービスだと思っている」(高橋氏)




 昨年の8月に開始されたiTunes Music Store。待ちに待たれたサービス開始でしたが、各国の同サービスの隆盛を聞く中で、日本での発展が立ち後れている印象を持っているのは私だけではないはず。

 一方、auの「着うたフル」については、その価格や取り回しには、(私自身には)どうしても疑問が残るにもかかわらず順調なダウンロード数を稼いでいるようです。
 さきほど(1/21時点)、オリコンチャート10位までのアーティストで、どの曲が購入できるか調べてみたところ、iTMSにそのアーティストが存在していたのは半分にあたる5人でしたが、曲そのもので購入可能だったのは平原綾香の「誓い」のみ。手元では調べられませんでしたが、着うたフルでは状況がだいぶ違う事は想像に難くありません。レコード会社からの楽曲提供の扱いが違うのです。
#正直、愉快ではないんですけれどもね(苦笑)

 しかし、日本の携帯電話はこれだけ発展しているにもかかわらず、世界から見たら本当に「閉じた市場」です。これだけ国民の大多数が所持しているにもかかわらず、国内メーカの世界携帯電話機市場におけるシェアは全社合わせても1割にも達しません(文中の表参照)

 機能・サービス、それらはたしかにトップレベルにあるとは思うのですが、通話方式の違い、携帯キャリア主導の端末戦略など、独特の発展を遂げてきた要因が挙げられます。

 ま、こうした閉じた市場だからこそ、もっとも閉鎖性に富んだ音楽業界には安住の地なのかもしれませんけれどもね…(笑)。

 私はパソコンがメインで、正直、携帯電話には疎いです。メールも単文を送るのが精一杯ですし、ココログの投稿を携帯から行なった事もありません(苦笑)。WILLCOMのW-ZERO3はそろそろ購入予定ですが、私にとってはあくまでパソコンの延長なんです。


W03 01



 そんな自分が、取り残されていくのではという不安が正直あるんですよね…。特に、今回の発表は「パソコンに浸食してきた」だけに余計に感じます。

 日本は「宗教のない国」と長らく言われていましたが、気がつけば十字架代わりに首から携帯電話を肌身離さずぶら下げ、ヒマさえあればそれを"握りしめて"います。

 私は静かに「異端」となっていくのでしょうかね…。

雪の電脳都市 東京にて。
Snow 20060121

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2006.01.17

iTunesのスマートプレイリストにおける日付指定に留意点

 自分の備忘録なんですが…。

 先日、iTunesのスマートプレイリストでとある日付の期間に追加された楽曲だけをピックアップするものを作ろうとして気がつきました。

 日本語の環境だと条件に「追加日が」と指定して日付を入力すると、エラーになって入力できません




Itunes Date01

06/01/14の部分はシステム環境設定の「言語環境」の「書式」を反映




Itunes Date02

地域に「日本」を指定した場合は短い場合yy/m/dd形式となります





 試してみたところ、日付の区切りに「/(スラッシュ)」ではなく「.(ピリオド)」を用いると入力ができます。それしか受け付けていないようです。

 まぁ、有り体に言えば




バグですね(笑)





 ちなみにFinderの検索条件に置ける日付は書式がちゃんと考えられているようです。



Itunes Date03
統一感を大事にしてほしいですね

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2006.01.16

さても家は遠きかな…

 今日は普通の日記に(笑)。

 珍しく昨日は暖かい日でしたね。やっぱり、寒さが緩むと体も楽です。

 夕方は奥さんと散歩に出かけ、雰囲気のある喫茶店で珈琲をいただきました。うん、カタカナでなく本当に漢字の「珈琲」と書くのがピッタリでした。美味しかったです。

 先日来、奥さんが突然「マンション欲しい」とのたまっております(苦笑)。この街は1年半住んでみて気に入っているのですが、そうおいそれとマンションが買える地域でもないんですが…。

 でも、先日はちょっとマンションのモデルルーム見学になぞ行ってきたんですよ。立地は理想的なんですが、部屋面積の割にはあまり広さを感じず、二人とも「あれー?」という気分で帰ってきました。うーん、なかなか難しいですね。

 それにしても、あらためて分かる家を買った人の偉大さ…。

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2006.01.15

シネマディスプレイでハイビジョン番組を観る!?

 MacWorld EXPOで展示されていたサードパーティの製品に目を奪われました。元になったのはこの記事。



【サードパーティ編】Mac対応ワイヤレスキーボード、カラフルなiMac用シリコンカバーなど(PC Watch)

●Apple Cinema DisplayをフルHDのモニターとして活用
 Gefenの「HD Mate」はセットトップボックスやXbox 360のHD映像を「Apple Cinema Display」を使って表示させる機器。HD解像度は720p、1080iに対応し、2つのコンポーネント入力とDVI入力をApple Cinema Displayへ出力する。一般的には、現在使用中のMacのモニタ出力をDVI入力へ、Xbox 360やHDTVのセットトップボックスをはじめとする HD対応機器をコンポーネント側へと接続することになるだろう。映像ソースの切り替えには前面のスイッチを使う。現時点では20型、23型のApple Cinema Displayに対応。30型への対応は現在開発している最中だという。価格は299ドルで1月中には出荷が開始される見込み。



 最近、我が家も液晶テレビを買ったばかりですが、常々、自宅で使っているCinema Display20インチもハイビジョンを映したら綺麗だろうなぁとは思っていました。

 早速メーカーサイトに行って調べてみると、製品そのものは既に存在していますね。20インチ用23インチ用はそれぞれ別製品です。



 Images Hdmatefront

HD Mate 20"

349ドルですがMacWorld期間中のみ299ドル





 コンポーネント入力端子を持っているので、ハイビジョンなどのデジタルチューナを接続すればシネマディスプレイで見られますね。

 …って、あれ?



Gefen 01

値引きキャンペーン分が送料で相殺かぁ(いやそういう問題か?)




 いやぁ、ネットって本当に怖いですねぇ…(水野晴郎風)。






犠牲なしにMacの進歩はない(涙)

〜Solid Inspiration





 …続報を待っててください。

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2006.01.14

MicrosoftがMac版Windows Media Playerの開発を停止

 のんびりといろいろ考えていたら、いろいろなニュースが舞い込んできていてボーッとしていられないですね(苦笑)。

 既報ですが、MicrosoftがMac向けのWindows Media Playerの開発を停止したそうです。



MS、Mac版Windows Media Playerの開発を打ち切り--提供は継続へ

 MicrosoftのPR担当マネージャAdam AndersonはCNET News.comの取材に応じ、「今後『Windows Media Player for Mac』のアップデート版を開発したり、製品をサポートしたりする予定はない。だが、現行バージョンのダウンロード提供は継続される。また、われわれはTelestreamと契約し、Mac OS XのQuickTimeを使って、Windows Mediaに対応したビデオおよびオーディオを再生するためのプラグイン『Flip4Mac』が引き続き提供されるようにした」と述べた。


 開発を停止した代わりに、別の会社(Telestream)が作成したFlip4Macをインストールして、Windows Media Player形式のファイルを再生してくださいという事なのですが、これは大変に困ったことになりました。

 CNETの記事本文ではWindows Media Playerを「音楽再生ソフト」と書いていますが、MacユーザにとってはWindows Media Playerは音楽再生ソフトではありません。一部の形式の動画再生のために(渋々)使用するものです。すなわち、iTunesと競合するから止めるという認識は誤り。

 問題は、Macユーザがどうしても見ることができなかった「著作権情報付」Windows Media Player形式の動画を再生する手だてが用意される事なく開発停止となってしまった事です。

 日本では大手による動画のネット配信は上記の形式がほとんどです。Gyaoだけでなく、Yahoo!や先日の第2日本テレビもこの方式を用いています。すなわち、Macユーザがこれらのサービスを享受できる手だてが失われてしまったことになるんです…。

 可能性があるとすれば、今回Microsoftからバトンを受けたFlip4Macというソフトがその著作権機能のライセンスを受けてその機能を盛り込む事ですが、果たしてそれが可能でしょうか…。

Flip4Macのダウンロードはこちら

 なお、Flip4Macはいいソフトではあります。今までWindows Media Playerで見ていた動画がQuickTime Playerで見られる事により、取り回しが良くなりました。

 ただし、ブラウザのプラグイン機能としては対応できていない部分があるようで、Yahooの動画ニュースが見られません。これはコマッタ…。一応、どうしても見たいという方は下記の手順で。



  1. F4M 01
    システム環境設定の一番下にFlip4Macを開きます
    ※ブラウザは終了させておいてください




  2. F4M 02
    Plug-Inのタブをクリックし、一番上のチェックを外します




  3. F4M 03
    アプリケーションフォルダにあるWindows Media Playerを起動しておきます
    ※これが重要!




  4. F4M 04
    こうしておくことによりサイト上のWMP形式動画がWindows Media Playerで見られます。
    ただし、都度Windows Media Playerを起動し直す必要があるかもしれません。


 うーん、今後の展開が気になります…。Telestream社が救世主となってくれることを祈りたいのですが…。

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2006.01.12

大いなるデタントの記念碑

 毎年末に発表されるその年を表す世相漢字。昨年は「愛」だったとか。それにならって今回のMacWorldExpoにおけるApple社CEOスティーブ・ジョブズの発表を私が表すのであれば…





「堅」







 私にとっては”想定の範囲内”に収まった発表内容の「手堅さ」。iPodの売れ行きやAppleStoreの右肩上がりの「堅調さ」。さらに言えば、全てのMacを年内にIntelプロセッサへ移行するという”ハードウェア”にも掛けて…。
※文字通りの単語「hard」(“一生懸命”の意も含む)が一番近いと思いますが(笑)




 1月のMacWorldExpoにおける基調講演の”雰囲気”は、その1年を象徴することが多いものです。昨年の基調講演ではMac miniとiPod shuffleといった”あったらいいけどまさかAppleは出さないよね”といったハードで話題をさらい、その後1年間のサプライズの嵐を暗示してくれました。今思えば、昨年はまさに「驚」

 その時と比較すると私の中では正直言って、刺激が少ないのです(苦笑)。 特に今回、ほとんど「メディア配信」に関する展望の「ニオイ」が感じられなかったことが気になりませんか?マスコミやアナリストたちも少々肩透かしを喰ったようですが、とはいえ火のないところに煙は立たず。MacやiPodとは異なる”第3の柱”としての発表の舞台を期待しています。

 さて、ではそれぞれの所感など…。




iPodのFMラジオ内蔵リモコン

 個人的に気になった純正品。リモコンがというより、「外からのメディアを再生させる仕組み」というiPodの可能性を示してみた一つの例示に思えます。iPod側の対応が必要ではありますが、ワンセグ放送のようなデジタル放送の受信端末も技術的にはやれないこともないのでしょうか?

 7 248 2041 1452 Store.Apple.Com Catalog Japan Images Ma070Ga 125


 iPodはshuffleを除くと、iPod nano/5G iPodとそれ以前とで「壁」を感じてきましたね(苦笑)。それまで、新機能については旧機種もファームウェアのアップデートで随時追加されてきましたが、比較的容易に対応できそうに思える歌詞の表示機能が追加されないあたり、一抹の寂しさがあります。





iLife ‘06のリリース

 Intelプロセッサでも動作するユニバーサルバイナリ化と共に、充実した機能追加も行なわれました。今回の一番の真打は実はこれでしょう。コンセプトは明確。これまで、クリエイティビティを刺激し、クオリティの高い作品を作りやすいソフト群であったiLifeに「Webへの直結」という窓口を強化させるというもの。言うなれば「まだ見ぬクリエイターたちへの緋色の絨毯」といったところでしょうか。

 7 248 2041 1452 Store.Apple.Com Catalog Japan Images Productshot Il06 125 060110


 GarageBandを用いたPodcast製作、iPhotoが提案するPhotocast、iMovieで生まれてくるVideocast、そしてようやく出てきたWebページ製作ツールのiWeb。そこには、やっぱりクリエイターの真ん中にはMacがいる、というAppleらしいメッセージが感じられます。

#私は自分の姿や声を公開する勇気はありませんけれども…(苦笑)





Intelプロセッサを搭載したiMacとMacBook Pro

 予定を半年ばかり早めたことに対する驚きと賞賛の声が聞こえてきますが、早まるという噂は以前から出ていましたし、混乱しやすい過渡期を少しでも短縮して乗り切りたいAppleとしては当然のことだったかもしれません。




 それよりも、IntelとAppleアツアツぶりに目が行ってしまいました(笑)。


 なんとIntelの社長がコスプレで登場ですよ!よりによって、「Intelのチップは熱くて焼けちまうよ!」とかつて揶揄されたときの格好でわざわざ出てくるなんて!


Macworld06 01

オッテリーニ社長 あんたニクイ奴だよっ!




Macworld06 03

“Intelはもう超OKよ! これ、私のキ・モ・チ”





Macworld06 02

ジョブズを見つめる目つきに
なぜかちょっと赤面しかけた (恥)



 そして、Appleが作ったCM(是非ムービーを見てください)がカッコいい!しかも、今回はIntelを思いっきりフィーチャーした映像ですよ!


Macworld06 04

ここでも見つめあうシーンが印象的





Macworld06 05

ジョブズはCMのクオリティと聴衆の賞賛に凄くご満悦






 まさに大いなるデタント(宥和)ですね…。

 この両社は何かとてつもなく大きなことを狙っているように感じられてなりません。なんというか、「セクシープロダクト」というコンセプト(とにかく魅力的な製品という意味で)を掲げて今にも走りだしそうな予感が(笑)。

 そう、実は冒頭に掲げた「堅」という一字に相応しいのはこの





「堅い絆」

なんですよ。





 昨年の6月、PowerPCというIBM製のプロセッサからIntel製の製品へと乗り換えるという発表は文字通り「突っ伏す」ほどの衝撃でした。Intel、Microsoftといえば古くからのMacユーザにとっては仇敵でしたからね。

 それが、たった半年でこの歓迎ぶりです。常に何か新しいもので魅了させてくれるだろうというAppleへの尽きない期待の表れが、この難局を乗り切ってしまったということです。




 今年もまた魅惑されることを願って、この両社の発展を祈りたいと思います。





 なお、MacBook Proの細かい部分については、また別に…。

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2006.01.10

林檎暦の大晦日

 世界にはいくつかの正月があります。

 我々が普段祝っている正月は太陽暦のものですが、太陰太陽暦の旧正月、イスラム暦の正月、ヒンズー暦の正月など国や宗教によって暦は多く存在しているものなんです。

 つまり…




信者と揶揄される

Appleのファンにとっても

また別の暦が

ないはずがあろうか

(反語)





 そう、明日未明の2時から行なわれるApple社CEO、スティーブ・ジョブズの基調講演こそ、まさに林檎教徒に新年の訪れを告げる聖なる儀式。

 いわば今日はその前日ですから"大晦日"というわけですね(笑)。

 既に噂はさまざまに飛び交っていますが、ここは固唾を呑んで見守ることにします。

 個人的には、より「リビングに出てくる」製品に期待しています。iPodやiMacを見ていると、なんとなくそういう方向性なのかなぁ、と。

 …あ、明日出張だ…(号泣)

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2006.01.09

ようやく…

 我が家に長い事なかったもの。それは…




テレビ




 ハードディスクレコーダである東芝RD-H1は持っていましたが、視聴する時はFireWireでコンバートした映像をシネマディスプレイで観ていました(苦笑)。我が家の情報端末は夫婦それぞれが持っているMacでしたから、それでも特に困らなかったんです。

 それが昨今の液晶テレビの値下がりを見て、そろそろウチにもあってもいいかなぁと思い始めて…。まだ過渡期の部分はありますが、ハイビジョン放送もそろそろ見てみたいと思ったんですよ。地上波デジタルは既に観られる地域ですし。

 で、Victorのテレビを買ってきました。




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 こ、これがハイビジョンか…。さすがにこのクオリティのコンテンツが普通に観られるというのは凄いですね。




100 0465

昔は撮影したテレビ画面はもっと粗いものでしたが…




 リビングで二人で過ごせる時間が増えそうです(笑)。

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2006.01.06

Vistaは眺めにあらず そは"横目"なり

 アメリカのラスベガスで行なわれている2006 International CES(コンシューマエレクトロニクス展示会)で、基調講演に出席したMicrosoftのビル・ゲイツ氏が、次期OSである「Windows Vista」をデモしたそうです。

 Windows Vistaは現行のOSであるWindows XPの後継です。基調講演の内容はインプレスの記事をご参考ください。



ビル・ゲイツ基調講演、2006年提供予定のWindows Vistaをデモ





Cesbg07S Cesbg08S

Windows Vistaのデスクトップ(※記事より)




 半透明の画面効果や、アイコンの感じにはやっぱりMacOSXの影響が感じられてなりませんよね…。iPhotoに似たソフトも紹介されていました。

Dash 01

参考:MacOSX(ムービー)



 Microsoftは研究してコツコツ改良する事にはたけているように思えます。でも、残念ながら永遠の二番煎じという呪縛からは逃れられないんでしょうね。今回の画面デザインに関してはWindowsXPよりは良くなったとは思いますが…。

 ふと、こんな狂歌を思い出します。



 織田(信長)がつき

  羽柴(秀吉)がこねし

    天下餅

 すわりしままに食ふは徳川(家康)


 天下の移り変わりの過程をうまく表したものだと思いますが、なかなか含蓄のある作品ですよね。コンピュータで置き換えると、信長の位置に来るのはやっぱりApple。家康の位置にあるのがMicrosoft、では秀吉の位置にあるのは?

 それは、





我々Macユーザ
…なのでは




 いかがでしょうか(笑)









 それにしても、OSの違いって、あまり強く感じなくなりましたね。大きなところでの差異はなくなってきていて、ある「目的」への到達のしやすさだったり、気の利き方だったり、そんなものくらいかなぁと思うことがあります。自分にとってMacの良さはやっぱり揺るぎない部分はありますが、多くの人と通じてナンボの時代ですから、大事なのはむしろ、インターネット上での共通のサービスだと思います。その部分ではWIndowsやMac、またそれ以外のOSであっても垣根がない事を願ってやみません。

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2006.01.04

休みは終わりぬ…

 もっと、ゆっくりと夫婦の正月を過ごしていたい今日この頃です…。

 奥さんは今度の3連休までずっとお休みらしく羨ましいなぁ(涙)。

 さて、今日はちょっと大きい買い物をしてきました。明後日に届くそうですがちょっと楽しみです。しばしお待ちを…(笑)。

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2006.01.02

Solid 実家の正月

 先ほど、実家から帰ってきました。

100 0404

毎年正月はこれが行なわれます




 家族の健康がまずは一番ですね。




 皆様のお多幸をお祈りいたします。

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食卓を無言にする魔のアイテム




 それでは!

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2006.01.01

謹賀新年

 皆様、あけましておめでとうございます。

 実家にて静かな年末年始を過ごしています。ごちそうをいただいてありがたい限り…。

 明日には、実家から自宅へ戻ります。

 皆様も、よいお正月でありますように…。

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