シンセサイザーの"父"逝く…
この方の訃報に心から哀悼を…
シンセサイザーをやっていた人ならば、誰もがその名前に深い畏敬の念を抱くであろう、シンセサイザーの父、ロバート・モーグ博士が脳腫瘍のため永眠。享年71歳。
71歳 まだお若いのに…
私が大学に入ってバンドを始めたとき、シンセサイザーは既に、KORGの名機"M1"が切り拓いたPCMシンセが主流だった。ボタン一つでピアノやストリングス、ドラム、ブラスの音などが出せ、それこそ自分専用の楽団を持った気になれたものだった。
そんな頃、EL&Pのキース・エマーソンを知った。有名な「展覧会の絵(→アマゾンリンク:一部試聴可能)」のライブビデオで圧倒的な音圧で表現される楽器、それがMoogシンセサイザーだった。
キース・エマーソンの雄姿
衝撃だった。キース・エマーソンのパフォーマンス(オルガンの下敷きになりながら弾いたり、オルガンにナイフを突き立てたり)も凄かったが、たった3人のバンドであの恐ろしいほどの音の厚み。その一翼を担っているのが、あの旧そうなシンセだなんて!
#Keith Emersonのサイトにも追悼の辞があった
鍵盤楽器なのに単音しか出せない、そんなアナログシンセには存在意義をまるで感じていなかったが、この日を境にソロ楽器としての表現を研究したものだ。シンセをきっかけに音色の作り方、エフェクターやMIDIなどを勉強して、気がついたらとりあえず自前で音楽を完成させられるくらいにはなれた。
#クオリティはスルー
無機質の極地ともいえる"機械"が、対極の位置にある"楽器"となる。これには両方のセンスがなければなしえない。ミュージシャンたちのイマジネーションを大きく刺激したことからも、その"楽器"としてのセンスの素晴らしさが推し量れる。
心から、心から、ご冥福をお祈り申し上げます。
書いていて、涙が止まりません…
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Comments
あまり詳しくはありませんが
確かにシンセサイザーは
衝撃的でしたよね・・・
小さいキーボードから
あらゆる音を作り出してしまうのですから・・・
話は変わって・・・
数年前にはじめてキーボードに触ったとき
右手の音譜だけ練習すれば
左手は指一本で 複雑な伴奏が
弾けるのかと・・・妙に感動しました。
イントロも エンディングも
自分で演奏しなくてもいいんですものね。
保母さんとか 小学校教諭とか
一応 バイエルぐらいは・・・って
音楽教室に通うかたがいらしたけど
キーボードがあれば 右手の練習だけで
済むような気がしました・・・
Posted by: 冬薔薇 | 2005.08.24 10:33 AM
シンセサイザーを持っているにもかかわらず、この方の事は全然知りませんでした(汗)
それまでアナログ正弦波の音しか知らず、矩形波の音を始めて聴いたときの衝撃は今でも忘れられません。
それまでYAMAHA党だった私がKORGに鞍替えしようか、とも思ったくらいですから(爆)
今の時代、、、音を作る楽しみというのは、その頃よりも若干薄くなっていると感じるのは私だけでしょうか・・・^^;
Posted by: ★TAK | 2005.08.24 11:54 PM
>冬薔薇様
波形を駆使して音色を作るというのが元々のシンセサイザーだったのですが、様々な工夫がなされ、冬薔薇様がご覧になったような自動演奏機能を備えたものまで発展しました。
いずれも、能動的な音楽への参加なんですよね。そういう楽しみも広がってほしいです。
>★TAK様
私はKORG党でしたからね(笑)。やっぱり、アナログシンセっぽい感覚を持っているのが琴線に響いたのかもしれません。
物理音源シミュレータといった技術もありますが、たしかに音作りって楽しむ人が減りましたね…。
私はKORGのWAVE STATION が最高に好きです(笑)。
Posted by: Solid Inspiration | 2005.08.25 12:46 PM