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2005.05.20

音楽を手にするもの

 iMusic様のエントリーで大変に興味深いエントリーが書かれている。

音楽産業界はiPodなどに報奨金を出すべき

 コロンブスの卵的な発想ではあるが、目から鱗の思いである。iPodを買って"音楽を聴く情熱が再びよみがえった"というのは、購入した人たちのほとんどが強く共感できることだろう。その楽しみはより多くの人に感じて欲しいと思うし、水をさすようなことはしないでくれと強く訴えたい。

 実は、ITmediaの「iTMSも日本のルールで」――JASRAC、ネット配信に期待のこのJASRAC幹部のコメントを読んで釈然としない思いでいっぱいだった。

 iTMSについては、2年ほど前からアップルがJASRACへ相談に来ていたとのことで、「当初は2005年4月ないし5月の開始を目指していたようだが、しばらく延期されているようだ。日本にサービスの拠点を置き、日本のルールで進めていくということで相互理解を得ている」(菅原氏)という。

 この「相互理解」とは、“iTMSも国内の配信事業者と同じ条件でサービスを行っていく”という意味で理解して良さそうだ。「ダウンロード型ならば、1曲あたり7.7%もしくは7.7円の使用料を徴収するというルールはいかなる事業者においても変わらない」と菅原氏もコメントしている。iTMSは比較的ゆるいDRMが特徴だが、菅原氏は加えて「ダウンロード型ビジネスで大切なことは、コピーコントロールの問題をクリアにすること」とも述べており、iTMSが既存の国内サービスと同等のDRMを備える可能性も否定できない。

 「相互」に「理解」されていたらサービスはとうの昔に始まっていただろう。世界から2年以上も取り残されている日本の特殊性(=閉鎖性)を、彼らに一片でも正当化できる部分があるとでもいうのだろうか。

 音楽は創る側と聴く側とのコミュニケーションである。片側のみで音楽は存在しないし、その外側にいるものが音楽の担い手ではない。

 空気の振動のみでやり取りしていた長い時代からレコードの発明を経て、音楽は"その場に演奏家がいなくても聴けるもの"へと変わった。

 だが、それはあくまで"音楽"というコミュニケーションにオン・デマンドの提供スタイルを与えただけのことだ。レコードであれ、テープであれ、CDであれ、ファイルであれ、それは「好きな音楽を好きな時に聴く」という手段を与えただけにすぎず、そこにあるのは今も変わることなく、創る側と聴く側とのコミュニケーションである。

 その単なる"媒体"に、この日本では異様に執着する人たちがいる。

 摩訶不思議なことに、その人たちは音楽の創り手ではない。






 彼らに伝えたい。

 我々は創り手と話をしたい。彼らの考えを知りたい。

 創り手の側に立っているという、エセ正義の煤けた理屈はもういらない。






音楽を創り手と聴き手のものに取り戻したい

追記:
 実は本文は5/19時点で書いているものだが、いつもお世話になっているウラ漢汁様において、より冷静かつ的確なエントリーがなされている。

iTunes Music StoreとJASRAC。

 ぜひご一読願いたい。

私信:
>あらびー様
 ちょうど同じタイミングでかぶってしまっておりました…。エントリー拝読し、感服いたしました。

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Comments

本当に何とかならないものか、と思いますね。
一番足を引っ張っているのが作り手でない、いわば寄生虫と呼ばれるモノ達なんですからねぇ。
言葉が悪くなってすみません^^;
でも、早く始まって欲しいものです。

Posted by: ★TAK | 2005.05.20 at 03:12 AM

★TAK様の「寄生虫」というコメントを見て、
「既得権益」という言葉を思い出しました。

どこにでも甘い汁をすすりたがる輩はいるものですが、
既得権益というのはえてして麻薬であり、
甘い汁をすすり続けていけば、業界のみならず、日本経済、
ひいては日本社会に悪影響を及ぼしていると思います。

Posted by: あらびー | 2005.05.20 at 11:15 AM

>★TAK様
 寄生虫、この言葉を思い浮かべない人はいないでしょう。いつまでもこんなのが野放しの状況にはいらだちが隠せません。

>あらびー様
 消費者の怒りが足らないのでしょうか…。いつもこう、なし崩し的に通ってしまう論理に我慢の限界です(苦笑)。

 輸入権の時の官僚の答弁、ヒドかったですからね。ブログがもっと圧力団体として力を持つ時代になればと思うのですが…。

Posted by: Solid Inspiration | 2005.05.21 at 12:33 AM

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