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2004.10.15

挙式前夜

 明日、挙式です。

 自分のiCal(Mac標準のカレンダーソフト)を見てみると、6月上旬に会場を押さえて以来、4ヶ月が経っていたことに気づかされます。

 最初からそこで挙げたいと二人で決めていましたが、そのタイミングで10月で押さえられるとは思っていませんでした(通常は半年くらい前)。10月のしかも大安の土曜日に決めることができたのは縁があったのかもしれません。

 明日、自分が結婚式を挙げるのかと思うと感慨深いものがあります。




 縁というのは不思議なものです。




 実は私たち二人にとってMacは特別な存在です。

 1999年1月。まだ一介の塾講師だった私の元に、知らない番号から電話がありました。

 普段の私ならば、そういった番号に対して折り返し電話をかけるということはありません。

 "その時"折り返したのは本当にたまたまだったのです。

 つながった先で出たのは、少し前まで同僚だった女性。広告系の事務所に勤め始めた彼女が、同僚の女性のMacがおかしくなって困っているのをなんとかしてあげたくて、電話をしてきたのでした。
 Macのノートを時々職場に持ち込んでいた私を思い出したそうです。

 困っている女性に電話を代わってもらい、症状を訊きました。よくありがちなトラブルだったため、幸い対処方法を指示することができました。

 それだけだったのです。

 当時は思いもよりませんでした。

 お会いしてお礼をしたいと、彼女の方から電話がかかってこようとは。

 後に聞いたのですが、彼女は私の話し方に感じるものがあったそうです。

 でも、私は戸惑いを隠せません。たった一度電話で話しただけの見ず知らずの私に、会ってお礼を言いたい、とまで思う人がこの世にいるのだろうか、と。

 電話越しの姿に期待を持たれても、実際に会えばがっかりするだろうな。

 私に会って彼女の期待がガラガラと音を立てて崩れていく姿が目に浮かびました。




 待ち合わせ当日。約束したカフェの前で電話をすると、店を入った正面にいるとのこと。

 おそるおそる目をやると、こちらを真っすぐ見つめている女性がいました。

 昼下がりの逆光の中に浮かんだ彼女の姿は今でもよく覚えています。

 大げさかもしれませんが、"その瞬間"というのは時が止まったかのように思われるものですね。




 …あの日から5年半以上。Macが縁で始まった交際は明日、華燭の典を迎えます。

 二人で入刀するケーキは、林檎から伸びた赤い糸が二人をかたどった人形をつないだもの。

 その"糸"をこれから二人で紡いでいきます。

 妻と出会えたことに心からの感謝を…。

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