これはイタくないかなぁ…
記事を書くほうも商売。たしかに、それは分かるんですが…。
iTunes Music Storeが日本で開始できない理由は日本のレコード会社がそれを阻んでいるためなのですが、そのレコード会社主導で作られた音楽ダウンロード販売サービスに「mora」というものがあります。
iTunes Music Storeとの比較は、荻窪圭さんによる「第4回:音楽配信サイトをまとめて体験してみました」が一番うまくまとまっていると思われるので割愛しますが、率直に言えば、日本ではユーザーサイドに立ったサービスがまだ始められていないと言っていいでしょう。
さてその「mora」と関連したサービスに「エニーミュージック」というのもがあります。PCではなく、家電(ミニコンポなど)を用いて、音楽のダウンロード販売をしようという試みなのですが、鳴り物入りの割にはサッパリという感じが否めません。
さすがに、このお寒い現状は放っておけないのでしょう。ITmedia LifeStyleで特集記事を打っています。
先日、「イメージストーリー」と銘打った記事が追加されました。
まず、一通り読んでみてください。
いくらなんでも…
反PCというイメージに固執するあまり、
- 「ヲタクっぽい男性でなく綺麗な女性」
- 「個人でなく家族で」
- 「都心の狭いワンルームではでなく郊外の広い一軒家で」
という設定をしてしまった時点で、「そもそもこの記事に興味を持って読んでいるのはどんな人たちなのか」というのを外している気がします。
#主人公の可愛い女性が"Ethernetケーブル"だとか"HDD"だとかという言葉って…
特に首を傾げてしまうのはこのくだり…。
ミディアムテンポの女性ヴォーカルの曲がFMから流れてくると、キッチンで食事の用意をしていたおかあさんが「この曲いいね~。聴いたことがある曲なんだけど、思い出せないなあ。なんて曲かわかる?」と声をかけてきた。早速、わたしは「FM NOW ON AIR」で確認してみた。FM局でオンエアされた楽曲の情報をネットを通じて確認できるの。しかも、ダウンロードかCDで購入まで出来ちゃうの。これはとっても便利。すぐにDavid Bowieの「Let's Dance」って曲だということがわかったので、早速、ダウンロードしてかけてあげたら、おかあさんたらノリノリで腰を振りながら「うん! これならとってもおいしいドレッシングができそう」だって。…
せっかくのウリの機能が台無し(涙)。女性じゃないだろっ!てね。
#ちなみにiTunes Music Storeでの試聴はこちらのリンク
揚げ足取りになるのは心苦しいのですが、これでは何も訴求しないですよね。
もう、マスコミの記事が人々を一方向に導くことはできない時代です。
個人が「いい」と思ったものを自らのコトバで表せる時代なのですから、小手先の堤燈記事にお金を注ぐのではなく、サービスの本質にもっと向き合わないといけないのに…。
日本の閉塞感の源流がここにあるんでしょうね…。
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Comments
あー、この記事。
一目見るなりブラウザの「戻る」ボタンを押してました。
だから読んでないんですけど、多分想像通り・・・ブルブル
Posted by: あらびー | 2004.09.28 07:37 PM
>あらびー様
個人のレベルでの試用レポートが見当たらないんですよね…。脱PCを謳った製品にしても、そもそもの値段が高いですからどれだけ消費者に受け入れられているのでしょうか。
日本国内だけでの囲い込みという時点で考えそのものも古いのでしょうけれども…。
Posted by: Solid Inspiration | 2004.09.28 08:47 PM